靴とかばんの人生劇場 サヨナラの、その前に。

第3幕 ライフスタイルに合わせてみる。

愛着はプライスレス

ページをめくる手が、止まった。そのページに写る、色も形も理想通りのバッグが誘惑していた。まるで「買ってね」とウィンクをくれるかのように。リビングでファッション誌を見ていたわたしは小さく叫んだ。「カワイイ!」。

次の日曜日、駅ビルのショップでわたしを射止めたブラウンのハンドバッグをゲット! 嬉しさで、心が躍った。

学生の頃から、ファッションに関わる仕事をやりたい!と思い、アパレルの会社に勤めて3年が過ぎた。同僚や先輩はやっぱりみんなセンスが違う。プチプラものとブランドものの使い分けが上手い。

わたしの使っているバッグは、買ってから2年以上ヘビロテして金具が壊れてきてるし、今の好みとはちょっと違う気がしてきた。

でも捨てたくはないし、思い切ってわたし流にアレンジしたい。

ジブン色のカワイイバッグって作れないかな?

サヨナラの、その前に。

ネットで検索したら、靴専科が見つかったので、お願いしてみた。「修理もできますし、色を変えることもできますよ」。笑顔が爽やかな店員の説明に、わたしは飛びついた。後日、仕上がったバッグは、イメチェンして戻ってきた。金具は新品になり、ファスナーの色もチェンジ。持ち手は革を換え、ボディの色も鮮やかなフューシャピンクに大変身。わたしのこだわりが光る、オリジナルのバッグに生まれ変わった。

家に帰って、ファッション誌を見ていると、ページの中の新作バッグがいつものように「買って!」と誘惑してきた。でも、そんな誘いには乗らない。だって、今のわたしには世界でひとつしかない、ジブン色のイットバッグがあるから。

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