vol.03
革靴を足に馴染ませて
長持ちさせる購入後の
“重要な鉄則”とは?
D氏靴のケア用品を買ってきました!
職人良い物が買えましたね。私から一つアドバイスをさせてください。
「革靴を買ったらすぐに磨け!」
これが、革靴の重要な鉄則です。新しいからまだ大丈夫と思うのではなく、新品の革靴にクリームを塗ることで、足に馴染みやすくなります。もちろん、長持ちさせたりキズを防ぐ効果もあります。
D氏高い靴なので、販売店が塗ってくれているのかと思っていました……。
職人それは、基本的に無いです。革靴を購入したら、ご自身でケアしてください。靴磨きの方法を教えますね。
D氏お願いします!
職人まず、革靴の汚れを取り除くことから始めましょう。一見キレイに見えますが、汚れやホコリなど、様々な物が付着しています。革靴に付いた不純物をクリーニングすることで、磨いた後の輝きも変わってきます。磨くためのウエス(布)は、古いTシャツなどで代用できます。これにクリーナーを付けて、靴の汚れを丁寧に取ります。色落ちする可能性があるので、まずは目立たないところでテストしてください。
D氏何事も事前準備は大切ですね。しっかりと汚れを落としました。
職人はい、OKです。次に、シュークリームを塗っていきます。
D氏先日言われた通り、黒だけでなく紺色のクリームも買ってきました。
職人その方がいいですね。サントーニの深い色味が際立ちます。アプライブラシを使って、革靴全体に少量のクリームを塗ってください。このとき、目立たない部分でシミにならないかテストしてから行なってくださいね。塗り終わったら、豚毛ブラシを使ってクリームを薄く塗り広げていきます。ポリッシュコットンを使って軽く拭きあげると、光沢がさらに増しますよ。
D氏本当ですね! こうしてピカピカになった革靴を眺めていると、さらに愛着が湧いてきます。
職人そうなんです。何もケアしていない革靴よりも、ご自身で手をかけてあげた革靴の方が、より愛しく大切になってくる筈です。そういう意味でも、革靴を長く大切に履いていくためには、定期的なケアをしっかりと行なってください。
D氏定期的なケアって、どれくらいの頻度でやったらいいでしょうか?
職人基本的に、2週間に1回くらいはお手入れした方が良いですね。
D氏でも、どうしても忙しくて時間が無い場合もあります。そんなときは、どうしたらいいですか?
職人時間が無くて靴磨きができないときは、靴専科に頼ってください。私たち靴職人に任せていただければ、匠の技術でピカピカに仕上げてみせます。
D氏頼もしいです! 次にこの靴を履くときが楽しみになってきました。
職人ちなみに、革靴を長期保管する場合、シューツリーは入れっぱなしにしない方が良いです。シューツリーには、靴の中の湿気を吸わせる目的と形成する目的があります。ただ、長期間入れておくと、靴がシューツリーの形になってしまいます。諸説ありますが、私の経験上、自分の足の形に馴染ませたいなら、履き終わって3日くらいは入れていただいて、その後は外した方が良いですね。
D氏分かりました。ケア用品を正しく使って、革靴を気持ち良く履き続けられるようにしていきます。
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