D氏靴の雨対策をしたいので、相談させてください。急に雨が降ってきたときのために市販の防水スプレーを買ったのですが、靴の色が変わったり傷めちゃうのではないかと心配で、使えていないんです……。
職人変色や傷は怖いですよね。でも、大丈夫です。靴を買ったら、すぐに防水スプレーをかけましょう。防水スプレーをかけると、靴の表面に膜を張って守ってくれるので、雨の浸透を防いでくれるだけでなく、汚れが付きづらくなります。
D氏それなら心配ないですね。すぐに防水スプレーをかけちゃいます。
職人いや、ちょっと待ってください。防水スプレーの選び方やかけ方にはコツがあります。選び方についてですが、缶に入っているガスをスプレーで出すタイプは均一にかけやすいので、オススメです。
D氏僕が買ったのもこのタイプです!
職人良かったです。防水スプレーはかける量が少ないと、かかっている箇所とかかっていない箇所でムラが出て、シミになってしまうことがあります。かけ方のコツとしては、つま先からかかとまで均一に、靴全体が濡れるくらい思い切ってスプレーしてください。その際、注意していただきたいのが、かける場所です。防水スプレーには健康を害する成分が含まれているので、風通しの良い屋外でかけましょう。
D氏分かりました。怖くて少しずつかけていたのは、完全に逆効果だったんですね。
職人はい。あと、市販の防水スプレーの効果を高める裏技があるのですが、次のうちどれでしょう?
- ①防水スプレーを大量にかける
- ②防水スプレーを2種類かける
- ③防水スプレーをかけた後にドライヤーで乾かす
D氏急にクイズ! うーん、なんとなくプロっぽいのは②かなぁ……。
職人2種類かけると、効果が強まるイメージはありますよね。でも実は、③が正解です。フッ素系の防水スプレーを普通にかけただけだと、フッ素樹脂の粒子と粒子の間に隙間ができてしまいます。でも、ドライヤーを使って乾かすと、この粒子が繋がるんです。これで水の弾き方が大きく変わるので、ぜひお試しください。
D氏ありがとうございます。早速試してみます!
職人新品の靴を買った直後は、汚れていないし変色もしていないので、すごく大事にしようと思いますよね。だけど、雨で濡れたり泥が付いたりすると「汚れたからもういいや」となって靴を大事にしなくなる。それって、私たち靴職人にとってすごく悲しいことです。
D氏分かります。最初はすごく丁寧に扱うんですけど、汚れていくうちに段々と手入れが雑になってしまう……。ずっとキレイなまま履けたらいいんですけどね。
職人防水スプレーを使うと、ある程度雨対策できますが、市販品だと完全に水の浸透を防ぐことは難しいです。最近では、強力な耐水性を得られる防水スプレーも販売されていますが、靴専科では「防汚コーティング」という新サービスを開発しています。強力な撥水効果を誇り、革はもちろんスエード、布など素材も選びません。靴職人が一足ずつ丁寧にコーディング剤を塗るので、塗りムラなどの心配もありません。
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