リーガルの革靴とプーマのスニーカーのクリーニング・修理とお手入れ

REGAL(リーガル)のビジネスシューズとPUMAのスニーカー

普段ビジネスシューズや革靴、スニーカーを履いている方は多いですが、クリーニングやお手入れを定期的に行っている方は必ずしも多くありません。良い状態をキープするためには必要だと思っていても、面倒だし時間が無いという方もいるのではないでしょうか? 靴専科にお任せいただければ、汚れやニオイ、雑菌を徹底的に落とすことが可能です。

今回は、REGAL(リーガル)のビジネスシューズ・革靴とPUMA(プーマ)のスニーカーを例に、靴クリーニング・修理の手順をご紹介いたします。また、靴の美しさをキープするための簡単なお手入れ・保管方法も解説いたします。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズ・革靴(黒色・内羽根)のクリーニング・補色・修理

REGAL(リーガル)のビジネスシューズのキズができたつま先

ビジネスシューズの定番として有名なブランドの1つがREGAL(リーガル)です。お客様からお預かりした段階では、左つま先の革が欠けて凹んでしまっており、かかとが若干減っていました。かかとの減り具合による交換時期に関しては相談させていただきますが、REGALの場合はある程度減らしても問題なく交換可能です。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの削れたかかと

歩きにくかったり減り具合が気になる方は、かかとに入っている線を基準にご相談ください。今回は汚れを落として、つま先の凹みをクリーニング+補色でケア。かかとは今後修理しやすい形で交換いたします。

①靴紐を外す

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの靴紐を外す

まずは靴紐を外し、洗います。今回は黒でしたが、白など汚れが目立ちやすい場合は漂白を行い、できる限り汚れを取り除きます。

②靴底を洗う

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの靴底を洗浄する

ブラシを使って靴底の汚れを落とします。今回はキレイな状態でしたが、ガムや付着物がある場合は専用の洗剤で取り除きます。

③靴専用の洗剤を使用してアッパーを拭き洗いする

REGAL(リーガル)のビジネスシューズのを拭き洗いする

靴クリーニングは、靴の素材・状態によって様々な方法があります。今回の靴は汚れが内部に浸透しにくいガラスレザーが使われているので、表面の汚れを落とすために拭き洗いをします。表面の汚れを拭き終わったら、靴内部のホコリ・汚れも同様に落とします。最後にオゾン水(※)に浸したタオルを固く絞り、数回に分けて濯ぎ洗いで洗剤を落としたら靴クリーニングは完了です。

※オゾン水には脱臭や脱色、漂白、有害物質の除去などの効果があります。また、様々な細菌などの除去にも高い効果があり、医療機関の施設や医療機器、食品加工場の洗浄、老人ホームや保育園での消毒に使用されています。

④シューキーパーを入れて乾燥させる

シューキーパーをセットし、オゾン乾燥機に入れて乾燥させる

靴クリーニング後、靴にシューキーパーをセットしてからオゾン乾燥機(※)に入れて、乾燥させます。

※オゾンは3つの酸素原子で構成されており、そのうちの1つの酸素原子が近くにある菌など、別の物質と強く結び付くことで破壊・分解(酸化)する性質があります。その際、菌などの増殖を司る核や悪臭の元になる分子を完全に破壊するため、除菌・脱臭効果の高さが実証されています。

⑤靴の擦り減りに合わせて修理の準備をする

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの新しいかかとの準備をする

続けてかかとの修理を行っていきます。REGALはデザインによって様々な製法・素材が使用されていますが、靴専科は多くの種類に対応しているので、安心してご相談ください。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの新しいかかとの素材を準備する

⑥ヒールを削ってバランスを整える

REGAL(リーガル)のビジネスシューズのヒールを削りバランスを整える

擦り減った高さに合う素材を準備し、取り付けたときにバランスが崩れないようヒールを削り落として調整します。メンズ・レディースともに靴のバランスが正しくないと、足を痛める原因になります。靴専科のかかと修理は、バランスの確認・調整を行ってから素材を取り付けています。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズに新しいかかとの素材を貼り合わせる

⑦素材を加工する

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの新しいかかとの素材を削る

素材の内側をあらかじめ形成しておきます。接着力を高めるために、接着剤を塗る面を荒らす下処理を行います。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの新しいかかとの素材を削る

⑧接着剤を塗って乾燥・貼り合わせを行う

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの新しいかかとの素材に接着剤を塗って乾燥させる

靴底・素材の両方に接着剤を塗り、乾燥させます。乾燥後、貼り合わせて接着。ハンマーで叩いて圧着します。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズに新しいかかとの素材を貼り付け、ハンマーでたたいて圧着させる

⑨削って仕上げる

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの余分な素材を削る

余分な素材を切り、削って仕上げます。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの余分な素材を削る

⑩「REGAL仕上げ」を再現する

REGAL(リーガル)のビジネスシューズにマスキングテープを貼る

貼り合わせた素材の側面にマスキングテープを貼って、インクを塗ります。ブラシにワックスを付けて磨き上げ、最後にマスキングテープを剥がしたら修理完了です。REGALの仕上げに多く見られる手法の1つです。ご要望がありましたら、再現して仕上げます。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズのかかと

⑪補色・キズ擦れ補修を行う

REGAL(リーガル)のビジネスシューズの補色

修理後にキズ擦れ、凹凸の補修を行います。前述した通り、ガラスレザーは汚れ・シミが浸透しにくい素材です。そのため、補色する際は定着材を配合した補色材を使用し、色を薄く何層にも重ねていきます。激しい凹凸は部分的に埋めて、目立たないよう馴染ませます。補色材が乾いたら、最後に靴磨きを行い、靴紐を通して完了です。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズ

靴クリーニングで溜まった汚れが取り除かれ、補色によってキズ擦れが目立ちにくくなりました。また、靴磨きで美しい光沢感が復活。オゾン乾燥機に入れる際、シューキーパーを入れたことでシワも改善され、かかとの高さも戻って新品のような履き心地になっています。REGAL仕上げは、次回の修理目安が分かりやすいメリットもあるので、オススメです。

REGAL(リーガル)のビジネスシューズに新しいかかとを貼り合わせる

クリーニング・修理後のお手入れは、基本的に靴磨きを行うだけで大丈夫です。型崩れ防止のために、脱いだ後はシューキーパーを入れて保管しましょう。光沢がなくなってきたら靴磨きを行い、クリームで保湿して栄養をキープ。また、靴のかかとを時折確認して、交換時期を見極めてください。

メニュー:
・オゾン水クリーニング+部分補色
・かかとゴム交換(ブランドリフト、ビブラム化粧)

PUMA(プーマ)のスニーカー(白色・レディース)のクリーニング・修理

清潔感があって爽やかな印象を与える白いスニーカー。でも、汚れが付いてしまうとすぐに目立ってしまうので、定期的なクリーニングは欠かせません。今回PUMA(プーマ)の白いスニーカーをお預かりしましたが、表革や靴底の側面に黒い汚れ、経年により発生した黄ばみがいくつか見受けられます。そこで全体の汚れをクリーニングして、できる限りキズ擦れを補色でカバー。

つま先の裂けキズは歩行時に曲がる部分なので、色を重ねることが厳しいと判断。できる限りのカバーに留めて仕上げます。かかとも若干減っているので、高さを戻すコーナーハーフの修理を行います。

①素材を選ぶ

スニーカーのかかとを修理するため、減った高さに合わせた素材を選択する

クリーニング・補色の内容は上記のビジネスシューズと基本的に同様のため、割愛して修理の内容を解説いたします。スニーカーのかかと修理の場合、まず靴底の材質、減った高さに合わせた素材を選択します。デザイン性も考慮して、左右対称にまっすぐ取り付けられるようにスニーカーを加工していきます。

②下地材・接着剤を塗る

PUMAのスニーカーの補色イメージ

靴底を加工したら、下地材を塗ります。取り付ける素材は平らですので、靴底も平らに加工しなければいけません。平らな面にすることで接着が安定し、強度が向上します。さらに、スニーカーの場合は接着のみで修理を行う関係上、接着剤を塗る前に下地材を塗り、接着強度の向上を図ります。下地材を塗り、乾燥後に接着材を塗って再度乾燥させます。

PUMAのスニーカーを乾燥させる

③削って仕上げる

PUMAのスニーカーに貼り合わせた新しいかかとの余分な箇所を削る

素材を靴底に貼り合わせたら、余分な箇所を削って仕上げます。側面のデザインを損なわないように細心の注意を払います。クリーニングと補色を行うことで、全体の汚れ、黄ばみが取り除かれて統一感のある落ち着いた白色に仕上がりました。また、つま先の革裂けは補色で完全に埋めると、塗った感が強い違和感のある仕上がりになるので、自然な仕上がりになるよう調整。かかとはデザイン性を重視して、減った高さを斜めではなくまっすぐ貼り合わせました。

PUMA スニーカー(レディース)

メニュー:
・オゾン水クリーニング+全体補色
・コーナーハーフ(かかとの高さ戻し)

POLO キャンパスレザースニーカー(レディース)
POLOのスニーカー(キャンパス×レザー・レディース)のクリーニング例

レザースニーカーにも靴磨きは必要

靴用クリーム(サフィール)

スニーカーでも素材が革(レザー)の場合は、靴磨きを行うことをオススメします。革に栄養が足りない状況で履き続けると、ひび割れの原因になります。靴磨き用のクリームについてですが、色付きだとその色の靴にしか使用できないので、すべての靴に使える無色のクリームを1つ用意しておきましょう。その他にも汚れ落としやブラシなどもあれば、お手入れの幅が広がります。靴専科の店舗ではお手入れ方法をアドバイスしていますので、お気軽にご相談ください。

靴修理職人オススメのお手入れグッズ

●革(レザー)の場合

革用クリーナー・リムーバー

靴用汚れ落とし

革用のクリーナー・リムーバーは、素材に合わせて適切な用途の物が必要になります。黒や濃色の革であればそこまで気を遣わなくても大丈夫ですが、茶系はシミになりやすいため、特に注意が必要です。使うことで表面の汚れ、油分、古いクリームを落とし、新しいクリームの浸透を促進させる効果があります。古いTシャツの端切れなどに適量を染み込ませて目立たない靴の内側で試し、乾いた状態でシミができないことを確認。その後、優しく撫でるように全体の汚れを落としましょう。

ブラシ・クリーム・ポリッシュコットン

ブラシ/クリーム/ポリッシュコットン

ブラシには多種多様なタイプがあるので、基本となる3本に絞ってご紹介いたします。

①馬毛ブラシ

主に靴表面のホコリ、汚れを落とします。クリーナーを使用する前はもちろん、日常の汚れを落とすときにも重宝します。

②豚毛ブラシ

靴表面に塗布したクリームを全体に伸ばし、浸透させるためのブラシです。ハリがあり、細い隙間にもクリームの効果が行き渡ります。クリームの色に合わせて用意する必要があります。

③アプライブラシ

クリームを塗布するための小さなブラシで、指では届かない細い隙間にも効果的です。手が汚れないメリットも。

④クリーム

スムースレザー用のクリームで、表面に光沢のある革に使用します。スエードやヌバック、布地への使用は絶対にNG。靴の色に合わせて使用すると補色効果がありますが、栄養と光沢のみを求める場合はニュートラル(無色)を用意すれば、すべてのスムースレザーに使用可能でコスパ◎

⑤ポリッシュコットン(ウエス)

最後の仕上げや光沢を出すために使用します。こちらもクリームの色に合わて用意する必要がありますが、難しければ、古いTシャツの端切れ(ウエス)でも代用可能です。

簡単な靴磨き(スムースレザー)のフローは、次の通りです。

①馬毛ブラシで全体のホコリ、汚れを掻き出して落とす。
②革用クリーナーを使って表面の汚れ・油分・古いクリームを拭き取る。
③アプライブラシで靴表面にクリームを塗布し、栄養と光沢を与える。
④豚毛ブラシでクリームを全体に伸ばし、浸透させる。
⑤ポリッシュコットン(ウエス)を使って余分なクリームを拭き取り、光沢を与える。

スムースレザーのお手入れは、基本的にこれでOK!! 毎日する必要はありませんが、光沢をキープしたりキズ擦れを目立たなくするためにも、月に1回は定期的に行いましょう。最大の注意点としては、クリーナー・クリームの色違いによるシミです。何を購入していいか分からない場合は、靴専科の店舗に靴をご持参いただきご相談いただければ、最適なお手入れグッズをご提案いたします。

●布地の場合

防水スプレー

あめがーど(防水スプレー)

布地は革と異なり、栄養や光沢を与える必要がありません。ただ、汚れが目立ちやすく、雨が染み込みやすい材質なので、ブラシを使って表面の汚れを掻き出した後に防水スプレーを吹きかけておくと、防水・防汚効果でキレイな状態をキープできます。

布地の靴を洗濯機で洗濯したり手洗いでジャブジャブ洗った後、乾いたら黄ばんでしまったというご相談を受けることがあります。原因は、靴に使用されている接着剤が水分で溶け出し、布地や革に浸透してしまうためです。ご自身でお手入れする場合は、基本的にブラッシングと防水スプレーを使用し、汚れが目立ってきたら店舗でクリーニングを依頼する、またはお手入れについてご相談いただくのが良いでしょう。

●その他の素材の場合

コードバン・エナメル・スエード・ヌバック・シープスキン・爬虫類系・合皮・ビニール系などの素材を使った靴は、上記と異なる方法やお手入れグッズが必要になるので、詳しくはお近くの靴専科へご相談ください。

●保管用

シューキーパー

シューキーパー

革靴の特性として、日常の歩行や生活環境などで繰り返し動きを加えると、シワができます。シワが深くなると、足に当たって痛みが生じたり表面が割れやすくなるため、用意しておきたいのがシューキーパー。靴の内側から圧をかけて、シワを防ぎます。

シューキーパーを入れたビジネスシューズ

素材はプラスチックなど色々ありますが、木製がベストです。木製のシューキーパーは素材にレッドシダー(米杉)が多く使われており、湿気やニオイを吸収して靴内部の環境を整える効果があります。湿気の多い日本では、特に梅雨のカビ防止策としても効果が高い素材です。大切な革靴を守るのに重宝しますので、まずは1つ用意し、履き終わった靴にセットして使い回すのもオススメです。

靴に負担をかけない保管方法

靴の保管例

日本には形式問わず靴箱が設置されている物件が多く、そこに靴を仕舞っている方も多いと思います。また、購入時の紙箱に入れてクローゼットに保管している方も多いです。でも、実はこの保管方法が、靴に負担をかけていることをご存知でしょうか?

高温多湿の日本でクローゼットに靴を仕舞うと、より湿度の高い環境に保管することになります。状況にもよりますが、革靴であればカビの原因になったり、スニーカーに関しては加水分解やソールが剥離する原因になります。大切な靴を大事に保管することは素晴らしい習慣ですが、様々なデメリットもあります。解決方法として、靴箱内に除湿剤を入れたり時々靴箱を開けて空気を循環させると効果的です。

保管方法を見直すだけで、大切な靴を長く使用できます。日々のお手入れ、正しい保管方法を知っていれば靴を買い替える回数も減り、余計な出費を抑えることも可能です。

靴専科では、「お客様のお悩みやご希望にプロとしての見解を誠実にご案内し、解決に努める」ことを大切にしています。とはいえ、専門的な意見を押し付けたり、納得できない、解決に繋がらないことを勧めることはありません。お勧めできないことは、正直にお伝えいたします。できる限り、お客様が話しやすい雰囲気を作ってお待ちしておりますので、些細なお悩みやご希望でもぜひご相談ください。

靴専科 水天宮前店

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靴専科 水天宮前店
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営業時間:11:00~19:00
火曜定休

靴クリーニングは靴専科におまかせ!

靴クリーニングは、豊富なサービス実績と高い技術力を持つ靴専科にお任せください。パンプス、革靴、ビジネスシューズ、ブーツ、サンダル、カビの生えたシューズ等、各種靴クリーニングを行っています。特殊洗剤・オゾン水を使用して汗、汚れ、ホコリ、ニオイ等を徹底的に取り除きます。

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