ショートブーツのかかとのゴム交換・インソール交換・クリーニング

ショートブーツのかかとのゴム交換・インソール交換・クリーニング

秋冬のコーディネートをオシャレに演出するショートブーツ。最近はボリュームソールなど、厚みのある靴底がトレンドですが、足元をスッキリ見せるエレガントなシルエットも根強い人気を誇っています。でも、久し振りに履こうと思って靴箱から出して、傷んでいたらショックですよね。よく見ると、かかとの擦り減り、インソールの劣化、つま先のキズ、カビやシミがある場合も……。

お気に入りのショートブーツを長く履き続けるには、靴職人によるメンテナンスが欠かせません。今回は修理(かかとのゴム交換・インソール交換)とクリーニング・補色を組み合わせて美しく甦らせる方法・手順をご紹介いたします。

ショートブーツのかかとのゴム交換

かかとが擦り減ったショートブーツ

ショートブーツを履き続けていたり長く保管し続けていると、かかとのゴムが劣化してしまいます。工具で剥がした際、ポロポロと崩れてしまう場合も……。履く前に気づけば良いですが、外出中だと歩くのが大変です。1年振りに履くときは、お出かけ前に確認しておきましょう。

かかとのゴム交換の手順

ショートブーツから取り除いたゴムと釘

①劣化したゴムと釘を取り除きます。

新しく取り付けるショートブーツのかかと用ゴム

②新しく取り付けるゴムを加工します。そのままだと接着剤が定着せず、すぐに剥がれる可能性があるため、事前の加工処理が大切です。

ショートブーツのかかとにウッドペースを入れる

③専用の機械を使って、ゴムを接着させるかかと部分の接地面を平らにならします。平らにすることで、接着剤の接地面積が増えて剥がれにくくなります。このとき、金具が入っていた穴にウッドペースを入れておくことがポイント。また、今回のようにヒール本体まで酷く削れている場合は、つま先側に隙間を約2mm空けておくことで、ヒールを折れにくくします。

専用の機械を使って、ゴムを接着させるショートブーツの接地面を平らにならします。
接着剤を塗ったショートブーツ用のゴム

④接着剤を塗り、強度を高めるために乾燥させます。

ショートブーツのかかとに新しいゴムを貼り付ける

⑤ゴムとショートブーツの接地面を貼り合わせます。

ショートブーツに貼り付けたゴムの余分な箇所を削って整える。

⑥余分な箇所を削って整え、釘を打って固定します。

ショートブーツのかかとに釘を打ち込む。

ショートブーツなどレディースの靴は、かかとの面積が小さく衝撃で外れやすいため、③で入れたウッドペースに刺さるよう釘を打ち込み、固定します。

ショートブーツのインソール交換

合成皮革製のインソールは、色移りの心配がないメリットがある反面、しばらく履かなかったり高温多湿な環境で保管すると、劣化してしまうデメリットがあります。かかとのゴムと同じように、ショートブーツを久し振りに履く際は、インソールの劣化もチェックしておきましょう。もしひび割れていたり表面の素材がポロポロ取れてしまったら、交換のタイミングです。

インソール交換の手順

ショートブーツから剝がしたインソール

①古いインソールを剥がします。

ショートブーツの新しいインソールをカットする。

②新しいインソールを、靴底に合うように型取りします。基本的に元のデザインと同じようにカットしていきます。

接着剤を塗ったショートブーツの靴底

③靴底とインソールに接着剤を塗ります。ブーツなど履き口が筒状になっている靴は、接着剤を塗る刷毛が届きにくいですが、靴職人の経験と技術で対応します。

接着剤を塗ったショートブーツ用の新しいインソール
新しいインソールを貼り合わせたショートブーツ

④インソールを貼り合わせて完成です!

ショートブーツのクリーニング・補色

カビが目立つクリーニング前のショートブーツ

ロングブーツほどではありませんが、ショートブーツも履いているうちに中が蒸れて湿気が溜まります。また、雪や雨で濡れることもあるので、そのままにしておくとカビの原因に……。カビが目立つと見た目が悪くなってしまうので、クリーニングをご依頼ください。菌やニオイ成分を分解して浄化するオゾン水を使い、徹底的に洗浄します。

カビや擦れが目立つクリーニング前のショートブーツ

ただ、クリーニングだけではカビ跡を落としきれないので「補色」とセットでご依頼いただくことをオススメします。補色をすることで、カビだけでなく色褪せや擦れてしまった箇所も甦らせることができます。

クリーニング・補色の手順

①オゾン水を使用して、ショートブーツを洗浄します。

②オゾン乾燥機でしっかり乾燥させます。

ショートブーツに下処理剤を塗る。

③つま先などの擦れが目立つ部分は下処理を行い、毛羽立ちを抑えます。

ショートブーツの元の色に近い色を塗る。

④ショートブーツのデザイン・素材に合わせて元の色に近い色を選定・調合し、刷毛で塗ります。色だけでなく、水加減などの見極めも重要です。

クリームを塗った後のショートブーツ

⑤革にとって栄養のあるクリームを塗り込み、ショートブーツを保護します。

ショートブーツの修理・パーツ交換・クリーニングは靴専科にお任せください!

ショートブーツ修理・交換・クリーニングのBefore/After

ショートブーツのかかとのゴムは、ヒール本体に到達しそうになったら、交換のタイミングです。1シーズン履き終わった後、仕舞う前にご確認ください。傷擦れについては、靴磨きなど日頃のお手入れでキレイになることもあります。クリーニングと補色をした後は、ご自宅で定期的に靴磨きをすると色持ちが良くなりますので、ぜひお試しください。

今回はかかとのゴム交換・インソール交換・クリーニング・補色をご紹介しましたが、その他にもオールソール(靴底交換)やファスナー交換なども承っています。「これって直せるのかな?」といった疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。お見積りは無料です。お近くに靴専科の店舗が無くても、宅配(郵送)サービスで対応可能です。

メニュー:
かかとゴム交換、インソール交換、靴クリーニング(全体補色+カビ取り)

靴修理は靴専科におまかせ!

靴修理は、豊富なサービス実績と高い技術力を持つ靴専科にお任せください。かかとゴム交換、ヒール、ハーフソール(すべり止め補強)、つま先、インソール、オールソール等、各種靴修理を行っています。いつも愛用している靴を大切に使い続けられるように、最適な靴修理をご提案いたします。

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