レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

靴専科の靴修理メニューの中でも人気の高いオールソールですが、新たに「Dr.Sole(ドクターソール)」の取り扱いを開始いたしました。Dr.Soleは優秀な耐久性・グリップ性が魅力の台湾製ソールブランド。Vibramとは異なるクラシックなデザインとソールの色も相まって、ブーツファンの心を世界中で掴んでいます。老舗ワークブーツメーカー「WESCO」の100周年記念モデルにも採用されるなど、信頼と注目を集めているブランドです。

Dr.Sole(ドクターソール)

今回は、レッドウィングのアイリッシュセッターをカスタム修理して、Dr.Soleを使ったオールソールを行いました。ソールはドレッシーな靴やブーツなど、様々な靴に合わせることができる「Supergrip Full Sole」のブラックを使用。さらに革の中板を追加して、クラシックな表情に仕上げました。

ブーツ(レッドウィング「アイリッシュセッター」)のオールソールを行う修理工程

Dr.Sole(ドクターソール)

今回オールソールの修理を行うブーツ(レッドウィング「アイリッシュセッター」)は、過去に靴底を革底+スチールトゥにカスタムしましたが、滑りやすいのでラバー素材のソールに交換します。Vibramのソールも検討しましたが、以前から気になっていたDr.Soleのソールをセレクト。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」

修理を行う前に、まずはブーツの状態を確認します。過去のカスタムからほとんど履いていないブーツなので、アッパーやウェルト(アッパーとアウトソールに縫い付ける細い帯状の革)の状態を確認して、さっそくソールを剥がしていきます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

①カカトのゴム、革積上げを外して縫い糸を切る

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

カカトのゴム、革積上げは、工具を使って外します。ソールは縫われているので、縫い糸をフィニッシャー(修理用の機械)で削り、縫い糸を切ります。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

②ソールを剥がして縫い糸と接着剤を取る

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

縫い糸を切り終えたら、接着剤をヒーターの熱で緩めて、剥がしやすい状態にします。工具を使用してソールをつま先から剥がし、後に残った縫い糸を丁寧に抜きます。残った接着剤はフィニッシャーで削り取り、表面を整えます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

③中板を切り出し接着剤を塗って乾燥させる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

新しく貼り付ける革中板の準備をします。中板にはクッション材としての役割があり、歩行時にソールが受ける衝撃を緩和してくれます。また、ブーツの側面におけるデザイン、厚みにも影響を与えるパーツです。まず中板に靴の輪郭を写し、必要な大きさに切り出します。その後、接着材の定着を良くするために表面を削り、中板・靴底に接着剤を塗ってしっかり乾燥させます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

④中板と靴底を貼り合わせる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

乾燥したら中板と靴底を貼り合わせ、ハンマーで叩いて圧着します。隙間なく貼り合わせたら、カッターで余分な箇所を切り出し、フィニッシャーで削って整えます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑤ソールと靴底を貼り合わせる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

ソールの接着面も同様に整え、ソールと靴底にボンドを塗って、乾燥させたら貼り合わせます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑥ソールと靴底を圧着して仕上げる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

中板の工程と同じくハンマーでソールと靴底を圧着し、余分なソールをカッターで切って凹凸が出ないように仕上げます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑦ヒールを取り付ける位置の接着面を削る

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

側面も仕上げたら、ヒールを取り付ける位置の接着面を削ります。最後に削った際のバリを削り落とし、縫い入れ前の工程は完了です。
※縫い工程は省略します。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑧トップリフト、革積上げを削って接着剤を塗る

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

ヒールを取り付ける準備をします。トップリフト、革積上げの接着面をフィニッシャーで軽く削ることで、表面の汚れが落ちて接着剤の定着力がアップ。素材に合わせて接着剤を複数回塗って、乾燥させます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑨トップリフト、革積上げを圧着してヒールを仕上げる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

接着剤が乾いたら2つを貼り合わせ、ハンマーで叩いて圧着します。強度を確認してアゴ(湾曲した部分)がキレイな面になるように削って仕上げ材を塗り、磨くことで光沢を出します。その後ヒールのバランスを整えたら、取り付け準備完了です。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑩縫い糸の処理を行いヒール・靴底を貼り合わせる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

接着面を滑らかにするために、縫い糸の処理を行います。余っている糸は切り、縫い糸はハンマーで叩いて潰し、凹凸を抑えます。製作したヒールと靴底は、接着剤を塗って乾燥させます。乾燥後に貼り合わせ、ハンマーで叩いて圧着。トップリフトの釘穴に釘を打ち込み、ポンチを使用して奥までしっかり追い込みます。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑪ヒールを削って側面を仕上げる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

ヒールの余分な箇所を削ります。表面を美しくするために、荒いペーパーから徐々に細かいペーパーに移行。ヒールを削り終えたら側面全体を仕上げ、最後にバリを取ります。ただ、レッドウィング「アイリッシュセッター」はワークブーツでもあるという点から、ピカピカにしすぎないように調整しました。一律に同じ方法で修理するのではなく、靴の雰囲気を大事にしながら仕上げていくことが、こだわりのポイントです。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑫仕上げ剤を塗って磨き上げる

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

ヒールの左右の大きさ、全体のバランス、側面の状態などを入念にチェックして、問題なければ側面に仕上げ材を塗り、磨き上げます。今回はヒールの素材感を出したいので、少しザラつきを残してニュートラルな仕上げ材を塗り、革本来の色合いで光沢を出しました。仕上げ方には様々な方法があるので、ご希望がある場合は依頼時にお伝えください。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

⑬オールソールの完了

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソールが完了しました! 革中板を入れましたが、スマートなデザイン・厚みのソールなので、ビジネスや華やかな場面など、様々なシーンで履ける万能なブーツへと生まれ変わりました。グリップ性・耐久性も申し分なく、秋冬のブーツシーズンで大活躍してくれます。今までのソールでは満足できない、歩行性やグリップ性を重視したい方にオススメのDr.Sole。オールソールの新たな選択肢として、ぜひお試しいただきたいです。

Dr.Sole(ドクターソール)

メニュー:オールソール(Dr.Sole)、革中板
※Dr.Soleは全ての割引サービス、キャンペーンの対象外となります。※納期は店舗によって異なります。ご利用する店舗でご確認をお願いいたします。

レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

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レッドウィングのブーツ「アイリッシュセッター」のオールソール

今回のブーツは状態が良く、ウェルトというパーツに削れる部分がまだ残っていたので、可能な限りウェルトを削らないよう細心の注意を払っています。しかし、オールソールを繰り返していくと、どうしてもウェルトが減ってしまい、いずれはリウェルトという交換作業が必要になってきます。もちろんリウェルトも靴専科で対応可能ですので、ご安心ください。

オールソールや靴修理を依頼する際、気になる細かい点や仕上がりイメージ、不安要素などがありましたら、お気軽にご相談ください。スタッフが責任を持って説明させていただきます。急を要する場合は、納期についても検討させていただきます。安心してお客様の大切な靴やバッグを預けて頂ける環境を整えていますので、靴専科各店舗でお待ちしています。お近くに店舗が無い場合は、宅配(郵送)サービスもご利用になれます。

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