履き続けるうちに擦り減るすべり革・すべり口
靴の履き口(内側のかかと部分)のことをすべり革・すべり口と呼びますが、履いたり脱いだりしているうちに擦れて劣化することがあります。特にスニーカーのすべり革・すべり口は擦り減りやすく、穴が空いたり破れてしまうことが多いです。
そのまま放置すると穴が大きくなって履き心地が悪くなるため、擦り切れが大きくなる前に修理することをオススメします。見た目がキレイになるだけでなく、靴ずれがしにくく履き心地が格段に良くなりますので、その修理内容をご紹介いたします。
ニューバランスのスニーカーの修理事例
今回修理するのは、ニューバランスのスニーカー(996)です。繰り返し履いているうちにすべり革・すべり口の摩耗が進み、生地が破れて中のスポンジが見えるようになってしまったので、新しく革を貼る修理を行いました。
①糸をほどく
握りバサミを使ってすべり革・すべり口の革の境目から糸をキレイにほどき、本体のめくれはできるだけ下処理をして抑え、平らになるように直します。
②革を加工する
カバーする革を切り出し、革の四辺を漉き機で薄く加工します。
③ミシンをかける
カバーする革に薄く接着剤を塗って固定し、すべり革・すべり口のステッチに合わせてミシンをかけ、袋状にします。
④接着剤を塗る
縫った箇所に接着剤を薄く塗り、シワにならないように伸ばしながら貼って乾燥させます。
⑤形状を整える
余分な革は切り落とし、工具で叩いて形状を整え、完成です。
すべり革・すべり口を長持ちさせる方法
破けていたすべり革・すべり口に革を貼ることで、美しく仕上がりました。革は色落ちがしにくく、自然に汗を吸収するタイプを採用。見た目がキレイになるだけでなく、強度が上がり、型崩れを防いで履き心地が大幅にアップします。
しかし、修理を行っても履き続けているうちにすべり革・すべり口は徐々に擦り減り、破けてしまいます。すべり革・すべり口の革・生地を長持ちさせるためにも、履くときにはかかとを踏まないようにしましょう。可能なら靴べらを使うことをオススメします。また、足を入れた後は靴の中で動かないようにしっかり紐を結ぶことが大切です。
靴専科の店頭ではスニーカーだけでなく、様々な靴の修理・クリーニングを承っていますので、お困りの際はぜひご相談ください。
【スニーカー修理】
納期目安:3週間程度