財布やバッグを買い替える際、素材を気にする方は多いのではないでしょうか。レザーも人気ですが、革の表面に模様を型押し加工したエンボスレザーは、キズが目立ちにくく、立体感のあるデザインを楽しめる素材です。
しかし、長く使っているとどうしてもキズや汚れが付いてしまうので、使い始める前のお手入れがオススメです。そこで、エンボスレザーの財布を簡単にお手入れする方法をご紹介いたします。
目次
世界中で愛されるブランド・フェリージ
今回お手入れするのは、イタリアのブランド・フェリージの新品の財布です。フェリージの歴史は長く、創業は1973年。イタリアの小さな街で一人の若い女性の趣味から始まり、世界中で愛されるブランドへ発展しました。製品に刻まれた紋章には、親から子へと受け継がれる友情や正義、純粋さ、高貴さ、そして誠実さへの願いが込められているそうです。
この財布は、既に生産終了になっている125/SAという型番で、現在販売されている798/3/SAが現行型となります。
エンボスレザーの財布のお手入れ方法
【用意するもの】
- M.モゥブレィ アニリンカーフクリーム(乳化性)
- ブラシ(今回は100%山羊毛を使用しました。馬毛よりもさらに柔らかく、デリケートな新品のレザーにも安心して使えます)
- クロス(Tシャツの使い古し)
- ポリッシングクロス(靴専科オリジナル)
①栄養クリームをテストする
エンボスレザーに潤いと栄養を与えながら、透明感のある自然な光沢を出すために、栄養クリームを塗っていきます。塗るときに気を付けるポイントは、シミになるかの確認です。
まずは、目立たない場所でクリームを少し塗って、シミにならないかのテストを行います。その際、クリームを直接塗るのではなく、写真のように一旦手に塗ってクリームを薄くしておくと、キレイに塗れます。
②財布全体に栄養クリームを塗布する
次に財布全体へ塗っていきますが、指を直線に動かすのではなく、小さな円を描くようにクリームを染み込ませます。そうすることで、型押しされている部分にもクリームが入りやすくなり、均一に馴染ませることができます。
③余分なクリームを取り除く
続いて、ポリッシングクロスで余分なクリームを取り除いていきます。ここでのポイントは、軽く素早くクロスを動かすことです。ムラが出ないように行いましょう。
④ブラッシングで仕上げる
最後に、ブラッシングで仕上げます。今回は、新品の財布ということもあり、非常に柔らかい山羊毛のブラシを使います。ここでも軽く素早くブラシを動かして、磨いていきます。
ここまでかかった時間は、わずか3分程度です。どなたでも簡単に作業できますよね。お手入れ後の写真は分かり辛いかもしれませんが、購入したときより光沢が強くなり、しっとりとした質感に生まれ変わりました。これで、より一層愛着がわきますね。
仕上がりに差が出るクリーム選び
今回使ったアニリンカーフクリームは、ツヤを出すロウの成分が多めに入っているので、レザーに栄養を与えながら、ツヤ出しができます。ツヤを出したくない場合は、同じM.モゥブレィ社のデリケートクリームもオススメですので、ご希望に合わせて使ってみてください。
お手入れをする際、レザーの種類によってクリームを使い分けることで、仕上がりは大きく変わってきます。この写真は、ヌメ革を使ったモンブランの手帳をお手入れしたものです。コロンブス社のケースレザークリームで仕上げることで、手触りが格段に良くなりました。
皆さんも自分が大好きなアイテムを長く使うために、定期的にお手入れしてみてください。物を大事にするって、ステキですよね。
財布のクリーニングは靴専科にお任せ!
ただ、忙しくて時間が取れない方や面倒だと思われる方もいらっしゃるかと思います。靴専科では、靴やバッグだけでなく、財布のクリーニングも承っています。レザーを熟知した職人が、一つひとつ丁寧に洗浄いたします。
また、色調整なども可能ですので、気になる方はお近くの靴専科でご相談ください。