「ヴェルニ」で使われているパテントレザーとは?
ルイ・ヴィトンのバッグは人気のあるものが多いですが、その中でも「ヴェルニ」はパテントレザーによる独特の光沢感が美しく、愛用している人も多いのではないでしょうか。
パテントレザーとは、革の表面にウレタン樹脂などでコーティング(エナメル加工)を施した皮革のことをいいます。パテントレザーと聞いてピンとこなかった方でも、エナメル加工された天然皮革と思っていただけると分かりやすいです。
パテントレザーという名前は、1810年代にアメリカの発明家が「水や汚れに強い革」を作ろうとして開発し、特許を取ったという経緯から、英語で「特許」を意味する「patent」を用いて「patent leather」と呼ばれています。ちなみに、「ヴェルニ」はフランス語で「エナメル」という意味です。
美しい状態で使い続けたいところですが、長年使っているうちに変色してしまうことがあります。靴専科では、補色を依頼されることがありましたが、これまではパテントレザー独特の艶やかな光沢が再現できず、泣く泣くお断りしていました。
しかし苦節3年、靴専科オリジナルの補色剤を開発することで、遂に対応が可能になりました。そこで、「ヴェルニ」の失われた色を復元する工程をご紹介いたします。
クリーニングと塗装で新品のような色に甦る!
今回修復する「ヴェルニ」は、元々青色だったのですが、長期間の使用で全体的に変色してしまい、緑がかった色になってしまいました。
補色をする前に、まずはクリーニングを行い、汚れを落とします。この段階でしっかりと汚れを落としておかないと、補色してもキレイに発色しないため、入念にクリーニングします。
その後、塗装中にヴィトンの代名詞でもあるヌメ革に色が付かないように、隙間なくマスキングを行います。きっちりマスキングを施したら、補色剤の色を作って塗装していきます。
経験を積んだバッグ職人が丁寧にムラなく塗装することで、購入時に限りなく近い色に仕上げることができました。
もちろん、エンボス加工のLVロゴや細いパイピングもキレイに残り、ヌメ革に色が付くこともありません。
変色したバッグは直せないと思っている方もいるかもしれませんが、諦めないでください。靴や財布の変色にも対応していますので、元の色を取り戻したい方は、ぜひ靴専科にご相談ください。
【バッグクリーニング】
納期目安:1ヶ月程度